「.com」「.jp」「.tokyo」など、ドメインにはさまざまな種類があるのをご存じですか?
これらのドメインは、その特性により一般トップレベルドメイン(gTLD)、国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)などいくつかの種類に分けられます。
Webサイトを立ち上げる際、どのドメインを選ぶかは信頼性にも大きく関わります。
この記事では、初心者にもわかりやすく「ドメインの種類」について解説します。
これからドメインを取得したい方は、ぜひ参考にしてください。
ドメインの種類について
ドメインは、主に以下の3つの種類に分けられます。
- 国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)
- 一般トップレベルドメイン(gTLD)
- スポンサー付きトップレベルドメイン(sTLD)
各種類のドメインの特徴をまとめると、このようになります。
ccTLD | gTLD | sTLD | |
---|---|---|---|
費用 | ドメインによる | ||
取得難易度 | 高い | 低い | 非常に高い |
管理者 | 各国の指定組織 | ICANN公認レジストリ | 特定のスポンサー団体 |
例 | .jp / .us / .cn / .me / .aiなど | .com / .net / .blog / .tokyoなど | .asia / .aero / .coop / .travelなど |
それぞれ、取得の難易度であったり、ドメインとしての役割も異なります。
そこで、この3つの種類について詳しく説明するので、興味のある方は最後までお読みください。
国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)
国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)とは、ISO(国際標準化機構)で規定された国名コードを使用したドメインです。
各国に割り当てられており、基本的は、その国や地域に住んでいないと取得することができません。
例えば、日本であれば「JP」というコードが割り当てられており、.jpドメインが日本の国別コードトップレベルドメインになります。
国別コードトップレベルドメインの主な例も見てみましょう。
ドメイン | 特徴・用途例 |
---|---|
.jp | 日本に割り当てられたドメイン。 信頼性が非常に高く、個人・法人とも登録可能。 |
.us | アメリカに割り当てられたドメイン。 アメリカ国内に拠点を置く企業や組織などが取得可能で、アメリカでビジネスを行う際に最適なドメイン。 |
.uk | イギリスに割り当てられたドメイン。 イギリスでビジネスを行う際には最適のドメインで、.co.ukなどのサブドメインタイプも多い |
.de | ドイツに割り当てられたドメイン。 欧州で人気。ドイツ市場向けのドメインで、信頼性も高い。 |
.fr | フランスに割り当てられたドメイン。 EU圏の企業や居住者が登録可能。 |
.cn | 中国に割り当てられたドメイン。 中国でビジネスを行う際に最適のドメイン。 |
.kr | 韓国に割り当てられたドメイン。 韓国でビジネスを行う際に最適のドメイン。ハングルを用いたドメインも登録可能。 |
.ca | カナダに割り当てられたドメイン。 取得はカナダ居住者や企業に限定されており、信頼性の高いドメイン。 |
.in | インドに割り当てられたドメイン。 インド国内・グローバル企業向け。用途の自由度が高く、インド以外の国にも開放されている。 |
.ru | ロシアに割り当てられたドメイン。 登録にはパスポートのコピーを提出する必要がある。 |
.br | ブラジルに割り当てられたドメイン。 ブラジル国内のWebサイトの信頼性向上や地域特化の情報を発信するのに最適。 |
因みに、.jpドメインは、日本国内に住所のある個人や法人のみが取得可能なドメインです。
ですが、海外の国にも開放されている国別コードトップレベルドメインもあり、それらのドメインは日本国内からでも取得することができます。
例えば、上記で紹介した.inドメインは誰でも取得でき、日本国内からでもレジストラを通して取得できます。
また、他にも自国以外に開放されている国別コードトップレベルドメインは多く、以下のドメインは日本でも人気です。
ドメイン | 特徴・用途例 |
---|---|
.me | モンテネグロに割り当てられたドメイン。 個人・法人を問わず多く利用されており、日本国内でも人気のドメイン。 |
.io | イギリス領インド洋地域に割り当てられたドメイン。 Input/Output(インプット/アウトプット)をイメージでき、コンピューター関連のWEBサイトで人気。 |
.ai | イギリス領アンギラに割り当てられたドメイン。 AI(人工知能)を連想させるドメインで、AI分野でも人気。 |
.id | インドネシアに割り当てられたドメイン。 IDを連想させるドメインで、セキュリティ関連のWebサイトにもおすすめ。 |
.co | コロンビアに割り当てられたドメイン。 ブログやメディアサイトでも使用しやすく、また.comドメインの代替ドメインとして取得するのもおすすめ。 |
.cc | オーストラリア領ココス諸島に割り当てられたドメイン。 特定の分野にとらわれず様々な場面で利用しやすい。 |
.bz | ベリーズに割り当てられたドメイン。 Businessを連想させることができ、ビジネスサイトでよく使用されている。 |
.ws | サモアに割り当てられたドメイン。 「ウェブサイト」「ウェブサービス」など様々な文字列の短縮形を連想できる。 |
.tw | 台湾に割り当てられたドメイン。 台湾でビジネスを行う企業や、台湾に関連する情報発信サイトなどにおすすめ。 |
.tv | ツバルに割り当てられたドメイン。 TVを連想するドメインで、テレビ局やテレビ番組の制作会社におすすめ。 |
他にも、日本国内でも取得できる国別コードトップレベルドメインはあります。
興味のある方は、ゴンベエドメイン(Gonbei Domain)やお名前.com
などのWebサイトで調べてみてください。
これらの違いについて知りたい方は、こちらをチェックしてください。
→ JPドメインの種類
一般トップレベルドメイン(gTLD)
一般トップレベルドメイン(gTLD)は、国別コードトップレベルドメインとは異なり、特定の国に限定されず自由に取得できるドメインです。
特定の分野に特化しているドメインが多く、分野別トップレベルドメインと呼ばれることもあります。
代表的なものだと、.comドメインや.netドメイン、.orgドメインのようなドメイン創成期から存在するものになります。
また、上記のような古くからあるgTDLとは区別して、2013年くらいから登場し始めた一般トップレベルドメインを新gTDLと呼ぶこともあります。
新gTDLの種類は、現在では1,000種類を突破しており、用途に応じて様々なドメインを取得できます。
gTDLと新gTDLの違いは?
gTDLと新gTDLは、どちらも一般トップレベルドメインになりますが、これらは明確に異なります。
まずは、その違いを表で確認してみましょう。
従来のgTLD | 新gTLD | |
---|---|---|
登場時期 | 1985年~2,000年代 | 2013年以降 |
代表的な例 | .com / .net / .org / .info / .biz | .blog / .tokyo / .osaka / .site / .shop / .click |
種類 | 20種類程度 | 1,000種類以上 |
用途 | 用途に縛られず汎用的なドメインが多い | 特定の目的、業界、地域、サービスなどに特化したドメインが多い |
誰でも取得可能? | 〇 | △ 基本的には誰でも取得できる。ただし、一部ドメインには登録要件があり。 |
信頼性・認知度 | 非常に高い | 知名度の低いドメインも多い |
従来のgTLDは、誰でも取得でき、基本的には使い方も自由です。
例えば、.comドメインは商用利用を目的としたドメインですが、現在は様々な場面で使用されており汎用性が非常に高いです。
それに対して、新gTLDは、特定の目的や業界、地域、サービスなどに特化したドメインも多いです。
例えば、.blogドメインはブログ向け、.tokyoドメインは、東京に関連するWebサイト向けに用意されているドメインです。
スポンサー付きトップレベルドメイン(sTLD)
スポンサー付きトップレベルドメイン(sTLD)とは、特定の業界がスポンサーとなり運営されているドメインです。
スポンサーとなっている業界の方針に従って運営されているため、ドメイン取得には制限が設けられているのが特徴です。
主なスポンサー付きトップレベルドメインはこちらの表で確認してみましょう。
ドメイン | 特徴・用途 |
---|---|
.asia | アジア、太平洋地域向けに提供されている |
.aero | 航空関連企業向けに提供されている |
.coop | 協同組合向けに提供されている |
.jobs | 人材関連向けのドメインで、例えば、就職・転職支援サービスや企業の採用サイトにおすすめ |
.travel | 旅行業界向けに提供されており、旅行・観光サービスなどにおすすめ 旅行関連のブログ・メディアであれば、個人でも取得できる |
.post | 郵便業界向けに提供されている |
.tel | 電話を意味するドメインで、連絡先情報として使用することを想定されている |
.edu | アメリカの教育機関(大学・教育団体など)が使用できる |
.gov | アメリカの連邦政府、地方行政機関が使用できる |
.mil | アメリカの軍事機関が使用できる |
上記の中では、.telドメインは個人でも取得しやすいです。
ですが、ほとんどのスポンサー付きトップレベルドメインは登録要件が厳しく、中には.edu、.gov、.milのようにアメリカ限定のドメインもあります。
JPドメインの種類
JPドメインは、日本を意味する国別コードトップレベルドメインで、日本国内に住所がないと取得できません。
このJPドメインは3つの種類に分けられ、個人では取得できないドメインもあります。
- 汎用型JPドメイン
- 属性型JPドメイン
- 都道府県型JPドメイン
各JPドメインについて、詳しく見ていきましょう。
汎用型JPドメイン
汎用型JPドメインは、「example.jp」のようにトップレベルドメインのみのJPドメインになります。
.jpドメインという場合は、一般的には汎用型JPドメインを指していることが多いです。

属性型JPドメイン
属性型JPドメインとは、組織の属性(種類)により分けられているJPドメインです。
コーポレートサイト向けの.co.jpドメインなど9種類が用意されており、基本的には、取得できるのが1組織1ドメインのみとなっています。
また、個人で取得できるものも少なく、企業や団体、組織向けのドメインになります。
ただし、.ne.jpドメインのように、個人で取得でき、かつ1組織で複数取得できる属性型JPドメインもあります。
※.ne.jpドメインは、1サービスに1ドメイン取得可
属性型JPドメインの詳細については、こちらの記事をお読みください。

都道府県型JPドメイン
都道府県型JPドメインとは、都道府県名が付与されたJPドメインです。
「example.tokyo.jp」「example.osaka.jp」のような形式のドメインになり、47都道府県ごとに用意されています。
都道府県型JPドメインは、例えば、その都道府県の情報発信サイトやメディアサイト、ビジネスサイトなどに最適です。
また、自治体が使用することで、その地域の特色をアピールでき、Webサイトのブランディングにおすすめのドメインです。
最後に
ドメインは、「国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)」「一般トップレベルドメイン(gTLD)」「スポンサー付きトップレベルドメイン(sTLD)」に分類することができます。
それぞれに特徴があり、取得の難易度も大きく異なります。
ドメインの取得を検討されている方は、ぜひ当記事を参考にして頂けると幸いです。
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